つまがりへぶらさがり【視察行ってどうでした?10月31日熊本編】

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10月30日のうちにバビュンと飛んでこちらは熊本。
翌日の10月31日より熊本視察の開始です。


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10月31日(木)熊本市

テーマ:主体性を引き出すICT教・プログラミング教育

(1)ICT教育について

(2)プログラミング教育について

レポすけ:熊本市での視察は↑上記2点に焦点を絞っています。
こちらについても、つまがりブログにアップされているヒアリングメモを元に、それぞれ解説して参りたいと思います。

■ICT教育ヒアリングメモ

・市長の英断で始まる「財政的な制約はあるが未来への投資として決断」
・ICT整備はかつて政令市中最低レベルだった
・5年間で通信費こみこみ30億円、1台2,500円/月
・全小学校へ導入、中学校は順次
・24,000台のタブレットを導入(LTE、セルラー)、3クラスに1クラス分
・子供同士が教える、子供が先生に教えるという双方向性、主体性を引き出す
・美術や体育は特に使い易い、二人1組で動画を撮り合うなどでも
・先生がより自由な授業をやるようになった
・タブレット使用になるべく制限をかけない。教師用のものは持ち帰り自由
児童用もdocomoのフィルタリングのみ
・管理メンテナンスは全てdocomo、教員が管理に追われることはない
・管理職研修が極めて重要。何のために、どう変わるのか、ということへの理解、校長によって感度が違うのが現状
・教員研修でも対話的、アクティブ、アウトプットを重視
・熊本県立大学、熊本大学とも連携
・先生たちは50代が多い。半分は前向き、半分は後ろ向き。変わることへの懸念
・学校間格差と教師間格差が課題
・備蓄がある先生はタブレット導入を機会に授業の幅が広がる。若い先生は使い方が上手である
・タブレットを使うことが目的になってはいけない
・他人のIDでのなりすましがあるけど、トライ&エラーで。制限をかけるほうが教育長決裁を必要とす。制限をかけないことによって自由な発想を。問題は起きうる、でも多くの子供たちの学びの機会をなくす方が問題。
・使わない方が良いという授業、教え込みの授業にタブレットを使っても無駄
・1人1台ではないので、ノートとタブレットの併用をどうするか?
・交付税措置はあるが、補助要望をしている。2018年~2022年度で1,800億円の交付税措置
・教育長は文科省出身だが、途中で辞めて青山舎中を設立。教育長が熊本県に出向している際に現市長と意気投合、抜擢。


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レポすけ:うおー。時代はいよいよタブレット教育時代に突入ですか。しかも小学生からとか!船橋市でもICT教育への取組みってやってるんですか?

つまがり:船橋市では千葉工大からもタブレットを寄付いただき、小中学校におけるICT教育を進めていますがまだまだです。ICT教育については学習障害の
お子さんにも大変効果的と言われています。

レポすけ:あ、一応進めてはいるんですね。でも「船橋市ICT教育やってるぜ」的なテンションでは伝わってきませんよね。千葉工大からタブレットの寄付があるというのも初耳ですし。熊本市みたいな取組みって、難しいんですか?

つまがり:こういった新しい分野に対し、リスクをとって行うにはトップの大胆な決断が必要不可欠と感じました。


レポすけ:まー、導入そのものに反対するという人もいらっしゃるでしょうしね。
ヒアリングを見ると、熊本市の先生方でも前向きだったり後ろ向きだったりといろいろだったみたいですし。


つまがり:まずタブレットの導入やプログラミング自体が目的になってはいけないということです。タブレットが無くても、そもそも生徒のやる気を引き出し主体的な学習ができる、双方向性がつくれるといった、蓄積がある先生がタブレットの導入を機会に、さらに授業の幅が広がるという言葉が印象的でした。タブレットは道具ですから授業で使いこなせるかどうかも先生次第ということです。


レポすけ:一方で子供たちの方はバッチリ受け入れているみたいですね。子ども同士で教え合ったりとか、新たな成長の可能性というか、そんなものが芽生えてくる感じも良いですね


つまがり:ご説明いただいた熊本市教育センターの方から「学びの主体性」を引き出す「押し付け」ではだめという言葉が繰り返されていました。明確な理念に基づいて教育に向き合っていると思いました。


レポすけ:でもお高いんでしょ?ICT教育の費用って。


つまがり:タブレット導入は5年間で30億円、1台2,500円で全額市費。文科省では2018年~2022年度で全国で1,800億円の交付税措置を予定していますが、各自治体に任せておくべきことなのか、きちんとした国庫補助で自治体の取組みを後押しする必要があるのではないでしょうか?



レポすけ:むー。いいものだからすぐ導入、ってワケにはいかないのがもどかしいですね。今後の動きに期待したいところです。


つまがり:笛吹けど、物資的な支援が無ければ踊りたくても踊れないといったところではないでしょうか。人口74万人の熊本市で5年間で30億円ですから単純に計算しても30億円×170(≒総人口12,700万人/74万人)と5,100億円の予算が必要です。国が用意している予算の3倍ですね。もちろん、タブレット導入だけがICTではありませんが、私たちの社会が子供たちのためにどうしたいのかということが問われるのではないでしょうか。日本は海外先進国と比べても、子供たちの教育が個人、親の負担に負い過ぎです。才能や可能性のある子供たちの芽を摘んではいないでしょうか。


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■プログラミング教育ヒアリングメモ

・目的はコーディング(プログラミングをすること)ではない
・英語もやらなくちゃいけないしと負担感はあるので、まず研修は楽しく
・プログラミング教育はまだまだこれからであるが、タブレットがあるので教員研修は進め易い
・すべて市費だときつい。かつて10%だったが17%

レポすけ:さあ、お次はプログラミング教育についてですね。民間でも小学生向けのプログラミング教室や、ワークショップなどがあって、市場的にも活性化しそうな雰囲気ですが、この辺の船橋市の現況はどんな感じですか?


つまがり:正直これからだと思います。

レポすけ:熊本市ではどのようなカンジで取り組んでいったのでしょうか。例えば先生方の研修とか。


つまがり:プログラミング教育は先生方に英語もやらなくちゃいけないし、と負担感もあるので、まず研修は楽しく、という言葉を述べていたことが印象的でした。


レポすけ:楽しくですか…。なるほど。確かにその方が覚えもいいですよね。
ということで、視察で感じたプログラミング教育について、つまがりさんの所感をざっくりお願いします。


つまがり:プログラミング教育はまだまだこれからですが、タブレットがあるので教員研修は進め易いと思います。ではタブレットが普及されていない本市ではどう進めていけるのか?お恥ずかしながら私もプログラミング教育については今回初めて関心を持ったというところです。子供たちのほうがもっと柔軟ですから、私たち大人が食わず嫌いにならないで子供たちのための環境整備をしていくということが重要ではないかと思います。


レポすけ:ありがとうございました!


いかがでしたでしょうか?二回に分けてお送りしました「視察編」
こうなるとレポすけ、今度は「議員さんの視察」そのものについていろいろギモンが湧いてきました。
ということで「つまがりへぶらさがり」~視察編~おまけのぶらさがりを取材してまいりましたので後日おつたえいたします!
皆さまお付き合いありがとうございました!